Episode 11 / 第11話 & Epilogue / エピローグ

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 早いもので、アツコ・アナ・ナミ・カコ・イボンヌの5人が来てくれてから7年が経った。昨日は僕の83才の誕生日だった。
 僕の生活は5人が来てくれてから根本的に変化した。それも当然だ。今では5人の死者たちと斎藤アナと7人の子供たちの合計13人とこのスタジオで生活し、日本を含めた海外の美術館の運営に参加して、世界を飛び回っているのだから。今から7年前の2024年、76才で僕はたった一人に戻り、5人との新しい生活の構想を始めた。僕は世間から完全に忘れられた隠者で、僕の親しい2人の友人だけが僕の奇妙な生活を知っていた。しかし、それから5年の間に、最初の家族が形成され、斎藤アナも登場して、彼女はスペースダンサーとデザイナーという美術館の「核」の仕事を担ってくれると共に、タフな母親の役割も果たしてくれている。コスモス・カナコ・花子・ノアの4人の娘と、イカイ・フミシ・ユリイカの3人の息子を産んでくれたからだ。思いがけず、僕は大家族の一員で父親になった。たった一人で、自分に課した開発も終了できず、孤独に死んで行く運命だと考えていた。それが、今ではアーティストとしても事業家としても成功し始め、大家族に恵まれ、「小国家群建設計画」と「ヒト宇宙化計画」に乗り出そうとしている。アツコ・アナ・ナミ・カコ・イボンヌの5人の死者たちも、斎藤アナも、7人の子供たちも、とても元気だ。何という幸福。何という多忙。

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